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高森明勅
2020.3.31 06:00皇統問題

皇統問題「棚上げ」シナリオ

平成29年6月に成立した皇室典範特例法の附帯決議には、
次のようにあった。
「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、
女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても
先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、
本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、
全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を速やかに
国会に報告すること」と。「速やかに」という表現が繰り返されていた。
しかし、同法が施行されてからも、政府は一向に「検討」に
着手する気配がなかった。
菅内閣官房長官の答弁では4月の「立皇嗣の礼」の後まで「先延ばし」
するという。
同儀式を済ませることで、あたかも秋篠宮殿下が次の天皇として
“確定”したかのような印象を、人々に与えようとしているように
見える(事実は、儀式の前も後も、次の天皇であることが確定して
“いない”、傍系の皇嗣であることに何の変わりもない)。

それによって、秋篠宮殿下→悠仁殿下のご即位を既定の事実である
かのように扱い(事実は、秋篠宮殿下ご自身は即位されない可能性が
高い)、それを議論の土台に据えることで、皇位の安定継承に向けた
本格的な「検討」を事実上、“棚上げ”にしようと図っているのではないか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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